2023.04.12
エンドポイントセキュリティEDRとEPPを紹介します。
昨今、ランサムウェアやEmotetなどのマルウェアが猛威を振るっています。
毎年、IPA(情報処理推進機構)によって、情報セキュリティ10大脅威が発表されていますが、2023年版の法人の被害では1位が「ランサムウェアによる被害」、2位が「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」、3位が「標的型攻撃による機密情報の窃取」となっています。
マルウェア対策として、感染源の一つとなるエンドポイントを守るのは非常に大切です。
本記事では、エンドポイントセキュリティで有効な手段について説明していきます。
エンドポイントセキュリティとは、企業のネットワークやシステムに接続されたコンピュータやデバイス(エンドポイント)の保護を目的としたセキュリティ対策のことです。近年、エンドポイントセキュリティに関するトピックは注目を集めており、中でもEDRとEPPはその中心的な技術となっています。
EDRとは、エンドポイント・ディテクション・アンド・レスポンス(Endpoint Detection and Response)の略称であり、攻撃を検知し、対処することを目的としたセキュリティ製品の一種です。EDRは、コンピュータやデバイスにインストールされ、セキュリティソフトウェアによって検知された脅威を即座に報告することができます。EDRは、脅威の検知だけでなく、脅威を分析して、攻撃手法や攻撃者の意図を把握し、最適な対処策を立てることができます。また、EDRは、ネットワーク内での攻撃の拡散を抑止するために、脅威を迅速に隔離することも可能です。
一方、EPPは、エンドポイント・プロテクション・プラットフォーム(Endpoint Protection Platform)の略称であり、エンドポイントを保護するためのソリューションです。EPPは、コンピュータやデバイスにインストールされ、常に監視して、悪意のあるプログラムやファイルを検知し、削除することができます。EPPは、ファイルの検査や脅威のブロックだけでなく、エンドポイントの保護に特化した機能を提供します。具体的には、ファイアウォールやウイルス対策、不正プログラムの検知、デバイスの暗号化などがあります。EPPは、特に企業のエンドポイントのセキュリティに重点を置いた製品で、多層的なセキュリティシステムの中で使用されます。
EDRとEPPは、異なるアプローチでエンドポイントセキュリティを実現しています。EDRは、脅威を検知し、分析し、対処することを目的としています。一方、EPPは、ファイルの検査や脅威のブロック、エンドポイントの保護に特化した機能を提供します。両者を組み合わせて使用することで、より高度なエンドポイントセキュリティを実現することができます。
前述した通り、防御に対するアプローチが異なるため、EDR、EPPどちらかのみの運用では、万全の体制とは言えず、EDRとEPPを組み合わせることが理想の形となります。 EDRとEPPを組み合わせて使用する場合、EDRが脅威の検知や分析、対処を行い、EPPが脅威のブロックやファイルの検査を行うことで、より効果的なエンドポイントセキュリティを実現することができます。また、EDRとEPPは、リアルタイムでの脅威情報の共有を行うことで、より迅速な脅威の検知や対処を行うことができます。
企業にとって、エンドポイントセキュリティは非常に重要です。最近では、リモートワークの増加やBYOD(Bring Your Own Device)など、エンドポイントの増加が見られるようになってきており、セキュリティリスクも高まっています。EDRとEPPを組み合わせて使用することで、より高度なエンドポイントセキュリティを実現し、企業のセキュリティを確保することができます。
また、EDRやEPPは、人工知能や機械学習、行動分析などの技術を活用しており、脅威の検知や対処において高い精度を発揮しています。これらの技術の進化に伴い、今後もEDRやEPPはより高度なエンドポイントセキュリティを実現するために、さらなる進化を続けていくことが予想されます。
総じて、EDRとEPPは、異なるアプローチでエンドポイントセキュリティを実現するための重要なセキュリティ製品です。企業にとって、エンドポイントセキュリティは極めて重要であり、EDRとEPPを組み合わせて使用することで、より高度なエンドポイントセキュリティを実現し、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。