2023.11.10
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に不可欠な要素として、クラウド化が挙げられます。組織内でクラウドへの移行を進めることにより、多くの利点が生まれます。この記事では、クラウドの基本的な概念に触れた後、DXの促進におけるクラウド化の重要性と恩恵を紹介します。さらに、クラウド移行の際に留意すべき点も述べていきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用して組織を根本的に変革し、生産性を向上させる取り組みです。DXは、業務の効率化だけでなく、業務プロセス、ビジネスモデル、組織構造、企業文化など、広範囲にわたります。
世界中でデジタル技術、特にAI(人工知能)の進歩やスマートフォンの普及などが急速に進展しており、企業にはさまざまな新しいアプローチが可能になっています。ただし、これらの新しいアプローチを実現するには、既存のシステムや組織構造がボトルネックとなることがあり、そのためには大規模な変革が必要です。
このような状況下で、日本の企業もDXを進める必要が迫っています。
クラウドは、インターネットを通じてサーバーにアクセスし、サービスやソフトウェアを使用する仕組みです。
代表的なクラウドサービスの例には、メールサービスがあります。メールの送受信データはクラウド上に保管されており、どのデバイスからでもメールを閲覧・送受信できます。
同様に、オンラインストレージもクラウドサービスの一例です。インターネットを介してさまざまなファイルを保存することで、どこからでもファイルを利用できるだけでなく、ファイルをグループで共有することも可能です。
クラウドサービスは、どこからでもアクセスできる、データを即座に共有できる、セキュアなサーバーでデータを保管できるなど、多くの利点があり、その普及が急速に進んでいます。
DXの推進において、クラウドは非常に重要な役割を果たしています。まず第一に、クラウド化により高速なデータ共有が実現され、部門を超えたシステムの構築が可能となります。
さらに、クラウド化によって、外部からでもシステムを利用できるため、データの迅速な利用が実現されます。これにより、在宅勤務、外出先、支店、現場といった異なる場所でも、オフィス内での連携と同じ水準で業務が行えます。
このように、全社的な変革が必要なDXの推進において、クラウドは不可欠な要素と言えます。
システムやソフトウェアを利用する際に、クラウドとは異なる選択肢としてオンプレミスという手法が存在します。
オンプレミスは、組織が自身でサーバー、ソフトウェア、ネットワークの構築と運用を行う仕組みです。オンプレミスは高いカスタマイズ性を提供し、業務環境に合わせて柔軟な設定が可能です。また、利用を社内ネットワークに制限することでセキュリティを確保できます。
しかし、オンプレミスにはいくつかの課題が存在します。
第一に、高いカスタマイズ性が連携を難しくする可能性があります。第二に、保守業務に追加の人員が必要となる可能性があります。そして最後に、外部からのアクセスが制限されることがあります。
デジタル変革(DX)を推進するためには、高速なデータ共有、少ない人材で効率的に運用できる体制、高い利便性が不可欠です。そのため、オンプレミスはDXとは相性が悪いと言えます。
一方、クラウドはオンプレミスとは異なる特徴を持っています。
クラウドはカスタマイズ性は制限されていますが、他のシステムとの連携を容易にするためのAPIやエクスポート機能が提供されています。また、保守作業はサービス提供者によって行われるため、追加の人員が不要です。
さらに、インターネット接続があればどこからでもアクセス可能です。
クラウドの利便性はDXと非常に適合するため、DXの推進とともにクラウドの普及が進むと予想されます。